高台の住宅街に建ち、爽やかな風が吹き抜ける家。家の中からは緑溢れるお庭と、立派な桜の木、道路挟んだ向かいの広い公園が見渡せます。2階の窓からは遠くに山が眺望でき、住宅地とは思えない開放感と気持ち良い景色が広がります。
こちらの施工事例はWISE SCAPEホームページ「INTERVIEW 006」に掲載中です。
お施主さまのご要望は、家の中心的な存在としての和室を設けることと、全体的に壁で仕切らず見通しの良い空間にすること。そして素材を活かして趣のある佇まいを実現すること。何件か住宅会社を見学した中で、当たり前のように木材の木目や癖、風合いをいかし、自然で心地よい空間をつくっている弊社に自身と同じ価値基準、美意識を感じて依頼を決められました。
その中でもご主人が一番の思い入れを込めたのが、自身やご家族は勿論、来客の方を日本の美、わびさびをもってもてなすための和室の造り。担当者が頭を悩ませ行きついたのは、床柱を省略した床の間のデザインを基調とする造り。堅苦しすぎず、日本の洗練された美しさを感じることができ、和室に入るだけで背筋がピンと伸びるような空気感です。壁は藁入りの土壁でざっくりとした仕上げとし、数寄屋風の他にはない和室を実現しました。
一方でリビングは上部を吹抜けとし開放感のある空間に。全ての窓に障子戸をはめ込み、地元二本松の手漉きの和紙(上川崎和紙)を通した自然光が空間を優しく包みます。
キッチンはお馴染み造作キッチン。奥様のご希望で大容量のミーレ食洗機(ドイツ製)を採用。キッチンに立てば空間全体が見渡せ、ダイニング周りに付けたカウンターで学習するご家族の様子も伺えます。
完成した家はご要望通り、和室を除いてほとんど間仕切りがなく家中が一体の空間を実現。
夏冬ともに快適で、床の上で過ごすことが可能。かつての日本家屋で営まれた床座の生活そのままに、より機能的、情緒的な空間に仕上げました。
木の癖をいかした太鼓梁、伝統的な木組みの技術を生かした階段や吹き抜け周りの手摺、更には面皮付きの一枚板(主に栃の木)を贅沢に使い、数寄屋風の和室と、要所要所で大工の技術の高さを感じられる、まさに本物の木の家。
お施主さまが丹念に育てたお庭とも一体となり、お施主様の価値基準、美意識と作り手の思い、技術が共鳴した心地良い住まいです。