茶室と通り土間のある家

茶室と通り土間のある家

戸建てならではの、家とお庭との関係性を生かしつつ、
木や土などの生きた素材を感じ、明るく伸びやかな家で大らかに子育てをしたいという思いと、
お茶の心(礼節や心遣い、引き算の美)を大切にしたいという、2つの思いを実現した家です。

家の顔である、玄関へ続くアプローチ。
タイルの小道と、植え込みの植物が、客人を気持ちよく迎えます。

玄関は大谷石の土間となり、
居住スペースと茶室とが、まっすぐに伸びた通り土間により分けられています。
茶室へのお客さまは居住スペースを通らず入室できるので、
ハレの間を守ることができます。

メインリビングは敢えて段差を設け、ダイニングテーブルに座った人、
リビングに座った人の目線が合うようにデザインしています。
ダイニングの一角にワークスペースを設けており、
造作による作業机と本棚は違和感なく馴染むデザインです。

階段下のデッドスペースを活用した小上がりの畳スペース。
横になってお昼寝したり、取り込んだ洗濯物を畳んだり...。
用途を限らず、気兼ねなく使える「床」は、生活に便利な空間です。

庭とリビングの間に、床とレベルを合わせたウッドデッキの中間地帯を設けました。
室内空間と外部のつながりがさらに広がり、室内外で多様な過ごし方が可能になります。
さらに、床レベルを合わせることでリビングの床面積が広がったように見えます。
広いウッドデッキは四季折々の自然を感じながら、
家にいながら野点も楽しめます。

躙り口のある伝統的な茶室。
三畳の狭さは人間の感覚をより研ぎ澄まし、床柱や天井の意匠はより集中できる空間を演出します。
躙り口から入り茶室を覗くと、目の前の天井が斜めの掛込天井となっており、
実際よりも天井が高く感じられる造りになっています。
茶道口の形状は上部が台形のようになっている「袴腰」を採用しています。

和の美しさ、利便さ、自然を取り込むことの気持ち良さ...
快適な暮らしのために必要なことを融合し、お施主さまのこだわりを実現いたしました。