歴史ある町に建つ家。
町並みへの配慮と冬の厳しい風土にも機能的に対応できること、
一方で、春夏秋冬、四季の移ろいを感じられるような大らかな暮らしをコンセプトに計画されました。
緑溢れる庭を通る玄関アプローチ。
四季折々の違った表情を見せ、訪れる人を迎えます。
外観は切妻屋根と一階部分の木造外壁が相まって、品格ある印象を与えてくれます。
玄関はリビングまで土間でつながり、
広い土間は使用目的を限定せず、自由な空間として使用することができます。
家族のライフスタイルに合わせて、多種多様に対応できる柔軟性ある便利な空間になります。
土間リビングに薪ストーブを設置。
冬は暖かく、夏は涼やかです。
土間にあることで薪の搬入や掃除をしやすくするメリットがあります。
家の中心であるリビング。
大開口窓を開け、ソファに腰掛ければ、気持ちの良い風が家全体を通り抜けます。
フラットにつながる広いウッドデッキにより、
内と外がつながるアウトドアリビングのある暮らしが実現しました。
リビングを中心に、玄関から続く土間と大きなウッドデッキのレベルを合わせてつなぎ、
敢えて室内と庭の境界を曖昧なグレーゾーンとして調和させ、
用途と空間に広がりをもたらします。
さらに、キッチンカウンターなどの造作家具の高さを低めに揃え、
庭から続く一体感をリビングの奥にあるダイニング・キッチンにまで広げています。
二階につづく階段も、内側は壁をなくし、
さらに一部の蹴込み板をなくすなど、「不要な壁」を設置しないことで、
視線が通り、空間に広さとつながりを与えます。
また、手すりは八角形になっており、握ったときに手に馴染みます。
土間から直接アクセスできる和室。
急な来客にも対応可能なだけでなく、廊下を挟みリビングから独立した間取りにすることで、
「篭れる空間」にもなっています。
住宅街にありながらも、敷地の特性、ロケーションを読み、
豊かな自然を感じられるよう庭をリビングに取り込む工夫を随所に取り入れた、
自然との調和を図ったデザインです。