13.
話し手:代表取締役 渡邊
今回の「あれこれ」では、実際にお客さまから寄せられたご質問をもとに、
「印象的なお客さまとのエピソードを交え、『愛着』とは何か」について 代表・渡邊に伺いました。
印象的なお客さまとのエピソードを交え、「愛着」とは何か?
ん~なかなか難しい質問...。私が偉そうに語ること自体がおこがましくはあるけども...。ひとまずエピソード云々はちょっと置いといて、愛着は一言で言ったら「過程」と「時間」「背景」があって初めて生まれるものでは?それらひっくるめたら「物語」という言葉でも言えるかな。だってすぐに、簡単に手に入るものや、時間を共にしないことには愛着は生まれないでしょ?さらに大切な人から譲り受けたとか、所縁があるものとか、そういう背景...。それらが折り重なり物語になって、大切にしようとする。大切にするからより長い時間を共にするし、そうしているとまた様々なことが積み重なり思い出になって愛着が更に増してくる。さらに愛おしくなる...。そういう循環じゃない?だから愛着は時がたてばたつほどに増していくものだよね。
時々、家を長持ちさせるのに一番大切なことは何ですか?と聞かれることがあるけど、それは「愛着です」と答えるのはそういう意味があるね。愛着があれば、大切にしようとするし、丁寧に暮らすし、自分の家がより好きになっていく。そこでの家族の思い出や様々な時間が更に愛着を増していく。当然完成した家自体が最初から好き、誇らしいという感情が前提としてはあるだろうけどね。一方で最初に戻るけど、愛着のためには「過程」「時間」「背景」などの「物語」が必要なわけで、これは所謂効率化からは生まれないよね。
家だけじゃないと思うな。今は何でも「早く、楽に、簡単に」でしょ。そもそも自分の身体、手とか足とか鼻とか耳とか、主に五感を動かすことも少ないし、何でもかんでも効率化、自動化だもんね。愛着を持つこと自体が難しくなっていくよね。
ちょっと脱線かもしれないけど...、いつものこと?笑。本来は「効率化」してはいけないことがあると思うんだよ。そういう線引きもしないまま兎に角何でもかんでも「早く、楽に、簡単に」だから。本来の目的よりも「効率化」それ自体が目的になっていること、たくさんあると思うな。「効率化」と言えば何か聞こえが良く、無条件に是とされる風潮があるけど、一歩間違えばただの「手抜き」だからね。そもそもさ、これだけ「効率化」されたんならもう少しみんな、というか世の中余裕やゆとり?明るくてもいいんじゃない?でも現実は?効率化されたらされた分別なことに追われてない?まあ時間は出来たのかもしれないけど、その時間も結局スマホやその他のことで埋まって、本当の意味で豊かな時間って出来てるのかな?さらには他の人を気遣う、思いを馳せる余裕なんて今の社会にある?確かに昔よりは豊か?いや豊かというより便利?になったんだと思うよ。何をするにも楽にもなったんだと思う。
でも、結果世の中、社会はよくなったのかね?効率化、生産性ってそれをやることで余暇?心のゆとりを生みましょうみたいなこと言われてみんな右倣えして、今もひたすらそれこそ1億総効率化、生産性を声高に叫んでいるけど、果たしてどうかね?そのなれの果ては「今だけ、金だけ、自分だけ」という価値観なんじゃない?皮肉だね。陳腐な言葉だけど一人一人「幸せに、豊かに、希望を持てるように」を目指してでも結果明るい未来は想像できず、じわじわと貧しくなり、挙句利己的、刹那的な価値観が増長され殺伐としていく...。人はどう頑張ったところで一人では生きていけないし、結局人との関係性の中で、幸せだとか、希望とかを感じるのにね。大切なこと、無くしてないかな?自分たちの、日本の固有の価値。自ら手放そうとしてないかな。多分その大切なことは一度失ったら、失われたら二度と取り戻せないかもしれないよ。取り戻せたとしても、膨大な時間が必要かもしれない。逆に言えばもう取り返しがつかない...。ん?脱線し過ぎ?はいはい。
話を戻せば...、えーと愛着。そう愛着。例えばさ、一品もの、時計でも靴でもバックでも服でも本当に価値のあるもの、一生のものって須らく効率化とは真逆の基準なり工程でつくられているよね?それこそつくられる過程があり、背景があり、物語がある。職人さんやデザイナーさんが、時間と手間をかけてつくりあげている。ほんとは家だってそういうものだよ。だって何千万だよ。土地入れたら億とか。多くの人にとっては一生に1度。一度建てたらそう簡単に次はない。にも関わらず、家は「過程」や「時間」「背景」が蔑ろにされることが多い。工場でつくります、人の手なんてあてにしません。あっという間にできます。場所がどこであろうが風土がどうだろうが関係ない。同じような画一的な形で、使われる素材の個性は殺され、無味乾燥な素材ばかり...。そりゃあ愛着なんて湧きゃしないわね。だからぞんざいに扱われ、大切にされない。結果簡単に壊される。家の中身や過程、家づくりの物語よりも、どこで建てたか、いくらで建てたか、どれだけ得したか、そして数値...。それだけをひたすら競っている。貧しいね。そんな基準で建てられた家よりも、つくる人が一所懸命、丁寧にかつひたすら住む人のことを思い建てた家の方がはるかに価値のある家だよ。例えお金や数値などであらわされなくてもね。
ちょっと言い過ぎた?たくさん敵に回してる?でも事実でしょ。事実、正論ばかりじゃだめ?はいはい、じゃあこの辺にしとくか(笑)
兎に角「愛着」はそのものが作られる「過程」「時間」そして「背景」を合わせた「物語」に宿っていくものだよね。ことやものを長持ちさせる大切な要素だと思うし、こういう世の中だからこそ、そんな目に見えないもの、数値ではあらわれないことを大切にする価値観を無くしたくない、というか無くなってほしくないと思います。
次回へ続きます。
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前回に続き、「愛着」についてお話を伺っていきます。今回はオーナー様から実際に寄せられた「記憶に残っているお施主様とのエピソードはありますか?」というご質問に対して、 渡邊が率直に語ってくれました。
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今回の「あれこれ」では、実際にお客さまから寄せられたご質問をもとに、「印象的なお客さまとのエピソードを交え、『愛着』とは何か」について 代表・渡邊に伺いました。
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今回は、本題に入る前に少しだけ「プラン」にまつわる補足的なお話です。実際に家をつくる中で感じていること。そして、0からプランを練り上げる上で必要な力とそれがどれだけ貴重なものか...代表(渡邊)が問わず語りに話し始めます。
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今回はブレイクタイム・おまけの会です。語られるのは設計の本質や、住まいづくりにおけるプランの重要性について。建築の仕事はプランだけではない...。それでも「基本プラン」が住宅の未来を左右する大きな出発点であることに変わりはありません。「建築」という仕事の本質は何か?改めて語ります。
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「木材について part6.」では、自然乾燥や低温乾燥の木が持つ本来の特徴と、それを踏まえた建築の魅力について深掘りします。癖を見極め、動きを予測しながら家をつくる知恵や、木材に込められた文化と未来への代表の想いをお届けします。
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木材についてのシリーズ第5弾として、乾燥低温の持つ木材本来の特性について、木の色や匂い、靭性といった魅力をどのように生かすか、高温乾燥との違いについて詳しく伺いました。
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「木材について part4.」では、木材の選別に対する考え、特に低温乾燥機を使用して品質を保つ重要性や、材木屋さんのこと、個々の木材の「個性」を生かす思いを伺いました。
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「木材について part3.」では、無垢材と集成材の違いや、木材の工業製品化による特徴の変化について代表に伺いました。
06
part2.では、国産材と外材の違いや価格変動、国産材不足の背景、木材資源の持続可能性や管理の重要性について代表が語ります。
05
今回は、木材についてです。材へのこだわりや、国産材を選ぶ理由、木の魅力、木への思いについて伺いました。
04
大工についてpart4、今回で最終回です。最終回では、社長の大工職への思いを伺いました。
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大工さんに向いている人とはどんな方でしょうか?今回は、その適性や現代社会の中で求められる資質について伺います。
02
前回、大工という仕事に求められるスキルや、社長が考える理想の大工像についてお話を伺いました。part2では昔と今の大工さんの違いに焦点を当ててお話を伺います。
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本物の木の家をつくる上で大工の腕や技術がいかに重要か...。代表が考える大工という職業について伺いました。