11.
話し手:代表取締役 渡邊
今回はブレイクタイム・おまけの会です。
語られるのは設計の本質や、住まいづくりにおけるプランの重要性について。建築の仕事はプランだけではない...。
それでも「基本プラン」が住宅の未来を左右する大きな出発点であることに変わりはありません。
「建築」という仕事の本質は何か?改めて語ります。
建築だっていろんな役割があるので、要するに0から1っていうかね、プランとか。家の基本的な部分をしっかりちゃんと形にできるっていうのも1つの役割で、役割ってかそれも1つでしかないので、建築でそれができないからイコール建築の職業としてダメだってことではない。それはちょっと勘違いしないでほしい。ただ、そのプランっていうものに関して言えば、やはりここまで言ってきたようなことが大事だし、それをね、志す人はね、そういう思いを大事にしてほしいなって思うよね。特に住宅やる、やりたいって人はね。
あとやっぱり基本プランって全ての出発点になるから、それが本当にダメだと後の人がいくらね、職人さんとか大工さんがいくら優秀でもさ、結局その基本プランがベースになって次が進んでいくから、そういう意味でも基本プランを書く人っていうのは大事だよね。それが下手くそだとほんとにその後いくらね、腕のたつ人がやったってさ、それに基づいてやるわけだから修正だって限界があるし。当然住まい手、お施主さんだってそのプランがほんとにbestかって分からないからね。まして図面上じゃね。こちらがみえてる景色、空間はまず分からない。春夏秋冬、年単位の時間軸まで考えたらまず分からないと思うよ。以前もこんな話したけどね。
手練れ同士なら同じ敷地、同じ条件ならほぼ同じ形になって後はお施主さんの好み、みたいな感じだろうけど、下手なプランが、出来るかき手に代わったらまず間違いなく変わる。だから基本プランを「誰にかいてもらうか、もらえるか」は、そういう意味でも大事です。
でも一方で、ちゃんとデザインされて、説得力のある基本プランが決まるじゃないですか。そういうプランはやっぱり、さっき言ったように調和が取れていたり、1本筋が通った設計がされてるんだけど、さらに、緻密に計算され練り上げられている。それは最も難しいであろう余白のとり方や微妙な味付け、図面にあらわれない部分も含めて。だからその後のバトンを受け取った人たちの責任も大きいんだよね。ダメにしちゃうこともある。最初のベースが秀逸にできてるから、ちょっとした寸法取り、納め方や違いでちゃんと表現、実現されなくなっちゃうことがあるわけだよ。最初の思惑と変わっちゃう場合があって、だからそういう意味で最初ちゃんとしていればしているほど、ずっと最後までちゃんとしてないと本当の意味で最初の形、思いが具現化されないっていう。一連のバトンを受けた人がみんな思想や意図も含めて受け取ってやんなきゃなんないっていう難しさがあるよね。それが逆に最初のプランがダメ、イマイチだと、元々ダメだから改善していけば良くなるじゃない?まして手練れの人がバトンを受け取れば良くなる率の方が高い。下手くそな設計だな、ちょっとこう改良するかってできるけど、最初のプラン、デザインレベルに対して、その後尺度が合ってない、下手打ちがそのバトン受けるとどんどんおかしくなっていく...。
だから難しいと思います。何でも、どんな仕事でも、まして人に依存せざる得ない(外科医とか理容美容、職人さん...)職種はそうだと思うけど、手練れ、腕がたつとなればそりゃあ依頼も多いし、忙しい。当たり前だよね。ということは1人が1つにつきっきりで対応できるわけじゃない。うちの会社もそこが1番苦労するとこだよね。そのギャップはあるかもしれない。どうしても。だから本当の注文住宅、建物はバトンを受けた人たちが最終的に大工さんまで一定の技術的なものと、最初に言ったような価値基準や思想が一体となったチームじゃないと本当の意味で出来上がらない。結局そこに繋がっていく。
実はすごくレベル高いんですよ、我々がつくろうとしているヤマニ建設の正真正銘の注文住宅というのは。うちの会社の中でもそこが簡単ではないというのはそういうとこからだよね、きっと。それがセットで揃ってる会社なんてそんなに多くない。そういうことですよ、実は。だからみんな企画とか、誰でも出来るようにするっていう方向にいくんだろうけどね。
そこが揃えば最強。
もうそれはね、うん。でも簡単じゃない。自分だけ、1人だけで解決できないことだから。これはもう無理なんじゃないかとか思っちゃう(苦笑)
やっぱ深いですよね。そう思うとやっぱり。ただ書けばいいでもない、つくればいいってとこじゃない...。
まあ本来は当たり前なことだと思うけど、思いや価値基準の部分をみんな共有してないと、その会社自体もダメだってことですよね。まして我々の仕事は何か買ってきてそれを売る、商品を売るってわけじゃないので。建築であり建設。建てて築く。建てて設える。きずく、しつらえる。その言葉通り。つくって、つくりきってなんぼだから。
基本プランは、ただの間取りではなく、住まいの思想や価値観の起点となるものです。
それをどうつくり、どうつないでいくか。建築に関わるすべての人の意識と連携が問われます。
本当にいい家づくりとは何か...私たちは今後も、その本質を問い続けていきたいと思います。
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今回はブレイクタイム・おまけの会です。語られるのは設計の本質や、住まいづくりにおけるプランの重要性について。建築の仕事はプランだけではない...。それでも「基本プラン」が住宅の未来を左右する大きな出発点であることに変わりはありません。「建築」という仕事の本質は何か?改めて語ります。
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08
「木材について part4.」では、木材の選別に対する考え、特に低温乾燥機を使用して品質を保つ重要性や、材木屋さんのこと、個々の木材の「個性」を生かす思いを伺いました。
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part2.では、国産材と外材の違いや価格変動、国産材不足の背景、木材資源の持続可能性や管理の重要性について代表が語ります。
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02
前回、大工という仕事に求められるスキルや、社長が考える理想の大工像についてお話を伺いました。part2では昔と今の大工さんの違いに焦点を当ててお話を伺います。
01
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